yoshikame’s blog

世界のサーフポイントを復活させよう

海岸線に作られる人工物が与える海面上昇への影響とリモートセンシング技術への期待

以前に僕は地球の海面上昇の原因の一つとして、海岸線に造られる人工物が海水を押しのけて海面上昇に寄与しているのでは無いかと疑い計算した事があります。
計算の内容を以下に記します。

世界の海岸線に奥行き百メートル、深さ百メートルの人工物を海に沈めた場合、海水準表面はどれ位上昇するのか。

アメリカ政府の計算によると世界の海岸線の総延長距離は35万6千kmあるそうです。これに幅100m深さ100mの人工物を沈めると、海面は10mm 上昇するという結果となりました。

計算1
① 地球の海水の体積:13億5千万立方km
② 地球の海水の総面積:3.6億平方km
③ 平均水深(体積÷面積):3.75km
④ 海岸線総距離に幅100m×深さ100mの人工物の体積:3560立方km
⑤ 地球の海水の体積①に人工物の体積④を足す:13億5千万3560立方km
⑥ ⑤÷②:3.75001km(10mm上昇)

この計算結果を踏まえ、埋め立てが世界的に見ても著しく多い東京湾と比較して計算してみました。

計算2
この幅100m深さ100mの人工物を地球上のすべての海岸線に埋め立てる、という状態が多いか少ないかで考えた場合、僕は少ない数字であると考えます。それは東京湾を例にするとよく分かります。
まず、昭和40年から50年代迄に行われた大規模な東京湾の埋立面積は25000haと言われています。(東京湾環境情報センター引用)この面積に東京湾の平均水深15mを掛けて体積を出し、東京湾の全周120km(横須賀駅から袖ヶ浦駅まで)で割ると東京湾の海岸線に沈んでいる人工物1km あたりの体積が出せます。(0.03125立方km)これと先程求めた地球上のすべての海岸線に幅100m深さ100mの人工物を埋立てた場合の人工物1kmあたりの体積(0.01立方km)と比較すると、1kmあたりの体積は東京湾の1/3になります。なんと東京湾は3倍。これは地球上のすべての海岸線に東京湾と同じような体積の人工物の埋立てを行えば、30mm以上海面が上昇する計算になります。


以上の計算を踏まえ以下に僕の考察を書きます。
 海面上昇の原因として海岸線に埋立てられる人工物の影響度は高いと考えます。現在IPCCは20cm〜30cmの海面上昇と報告しています。その要因は氷河融解と海水の熱膨張の2つとしていますが、僕の考える海岸線に埋め立てられる人工物の影響は先の2つが包括しない3つ目の要因だからである所がその重要度合いを大きくしています。なぜなら、これは物質そのものが海水を押しのけて海面を上昇させているという原理であり、この3つは相乗効果で海面を上昇させる要因となるからです。さらに言うと、地球上の場所や時間、環境ごとに異なる重力ポテンシャルの影響で海面上昇の影響が大きい地域と小さい地域が存在しているので、その差がもたらす影響は計り知れないと考えます。(月の重力や気圧の変化によってもその影響は何倍にも増幅する)
また、人工物以外にも地球の重力によって陸地より低い海へと転がり込む物質はたくさんあると考えます。例えば川から流れ込む土砂です。陸地に雨が降れば多くの土砂が海に流れ込みます。3.11のあの津波もそうでした。あの津波によってどれ程の量の土砂やゴミなどの物質が海へと流れ込んだ事でしょう。測量は不可能ですが僅かな量でないことは容易に想像できます。
以上を踏まえると海岸線に埋立てられる人工物の測量を行う事の必要性が高まって来たのではないでしょうか。

そして、それらを正確に測量する為のリモートセンシング技術の活用が急がれます!例えば現在Tellusでは、海岸線を検出する為のアルゴリズムを開発するプロジェクトを進めています。https://signate.jp/competitions/284
現在の人工知能ではまだ海岸線を検出する事すら出来ていないのです。僕が検出したいのは海岸線における人工物なのでさらに次の段階になります。恐らくSARでは可能だと考えますが、高度なスキルが必要と言う事でした。

最後に僕はこれらの問題をもっと定量的に把握出来るシステムをリモートセンシング技術へ期待しています。そしてこれら人工物を作っている国や団体へ問題提起し、その制御を進めなければ大変な事になってしまうのではないかと考えています。