レル・サンのように⑤
5話 希望
高校生活を楽しく過ごして欲しいと思った私は陽子に
「サーフィンってどう思う?」
と、持ち掛けてみた。
「サーフィンかぁ。サーファーって、どうしてチャラチャラしてるの?」
最初はそんな事を言っていた陽子だったが、私がたまに見ていたYouTube のサーフィン映像を覗きに来る所を見ると、実はやりたいと思っているんじゃないかなと思っていた。
「この人は誰?」
「ジョエル・チューダーだよ。」
「サーフィンってもっとボードをバタバタさせて忙しないって思ってたけど、この人のサーフィンってなんか違うよね。ゆったりとしてて気持ちよさそう。」
「さすがは陽子さん、わかってますね!カリスマロングボーダーっていわれるんだよ〜」
「へぇー。」
「どう?やってみる?」
「うん。」
彼女に少しだけ笑顔が戻った。