レル・サンのように④
4話 笑顔が消えた日
陽子は体操クラブに入った。
運動神経が良く、小柄な彼女にはピッタリのスポーツだと思った。そしてその実力は素晴らしく、中学の県大会に出場し、更には全国大会まで出場した。
オリンピックも夢では無い程の実力だと言う事も耳にしていた。
「陽子の夢はなに?」
「オリンピック選手になって子供達に体操を教えること!」
そう言っていた陽子の笑顔は幼い頃から変わらない無邪気さとあどけなさを持っていた。
高校は体操の名門校に入った。高校でも年上の選手に負けない実力があり、そして今後も体操をやるんだ、と思っていた矢先、夏合宿で怪我をしてしまった。
後で聞いた話なのだが、年上の先輩と付き合っていたらしく、その先輩の浮気を知ってしまい、以来メンタルが良くなく、不注意で怪我をしてしまったらしい。
陽子はその後、十分に体操が出来なくなってしまい、体操を辞めてしまうことになった。
それ以来、陽子から笑顔が消えてしまった。