レル・サンのように⑥
6話 ワルツのリズム
「はいパドルしてー」
「はい!立って!」
「おー凄い凄い!」
「へっへっへー!」
ほぼ初めてのサーフィンで立てた陽子に私は関心しきっていた。
私は陽子の学校が休みになるといつも海に連れていき、一緒にサーフィンをした。
サーフボードも動かしやすいショートに乗ったり、時に重たいロングに乗ったり。
「陽子はショートとロングどっちが好き?」
「うーん、ショートかな。やっぱりロングは重たくて動かしにくいよ。でもパパのやってるの何?サーフボードの上を歩いてるやつ、私もそれやってみたい。」
「これは難しいぞー。ウォーキングはワルツのリズムで、、ってやってるし!!」
陽子は波に乗るとロングボードの上でサッサっと歩いて見せた。しかもそのままノーズに歩いていきハングファイブなんて技までやってしまった。
「知ってるよ!ウォーキングはワルツのリズムでしょ!パパの持ってる本に書いてあったもんね!」
私は自分のサーフィンをそっちのけ、彼女のダンスに釘付けになってしまった。
「イッチニチイッポ!ミッカデサンポ!サーンポススンデニホサガル!」
気になったのは水前寺清子が古くないか?という事だけ
やがて陽子はサーフィンの大会に出場するようになった。